カナダ・トロントでの留学生活において、必ず抑えておかなければいけないのが、現地での『シェアハウス探し』です。
『現地に来たばかりの時はホームステイで、その後シェアハウスに移る』場合や、『最初の数週間はホテル等に泊まり、その間にシェアハウスを探す』など、人によって状況は様々でしょう。
シェアハウスを焦って決めてしまったり、よく分からないまま契約してしまって、実際に生活してみるととても大変な思いをした!となっては元も子もありません。
自分の家ではストレスなく過ごしたいですよね
そこで今回は、シェアハウスの内見をおよそ20件以上してきた現役カナダ留学生の私が、カナダ・トロントでのシェアハウスの探し方について、徹底的に解説して行きたいと思います。
この記事を読むだけで分かるように、全体の流れに沿って解説していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
シェアハウスとは?
シェアハウスとは、1つの住居を複数人で共有して住むスタイルの賃貸住宅です。
日本ではあまり馴染みがありませんが、カナダではかなり定着しており、留学生のほとんどがこのシェアハウスを契約して生活しています。
一般的には各自の個室スペースが用意され、キッチンやバスルームは共用となっていることが多いです。
私もキッチン・バスルームは共用のシェアハウスに住んでいます
完全に留学生のみで構成されているシェアハウスもあれば、オーナーが別フロアに住んでいて、空いている部屋を留学生に貸し出しているといった場合もあります。
シェアハウスのメリットとデメリットについて
シェアハウスにはメリット・デメリットがいくつか存在します。
トロントで実際に居住する際は、それぞれをしっかり把握した上で契約するようにしましょう。
シェアハウスのメリット
- ホームステイよりも圧倒的に安い
- 水光熱費、インターネット代も家賃に含まれていることが多い
- 生活に必要な家具や家電は揃っていることが多い
- 同じ境遇の友人ができる
- 日常的に英語環境を作ることができる
シェアハウスの1番のメリットは、やはり家賃を抑えられる点です。
トロントでホームステイやアパートを借りようとすると高額な費用が毎月かかることになりますが、シェアハウスであれば費用を安くすることができます。
留学生向けの物件は水光熱費・WiFi費用も含まれていることが多いです
また、他の国から留学でトロントに来た学生も多いので、自分と同じ境遇もあって仲良くなることもあります!一生の友人になるような、素敵な出会いがあるのもシェアハウスの魅力ですね。
シェアハウスのデメリット
- いくつかのルールが存在する
- 他の居住者と生活リズムが合わない
- シャワー・トイレなど共有しなければならない
- オーナーが過干渉してくる場合がある
シェアハウスの大きなデメリットとしては、『他人と生活空間を共にする』という点です。
メリットで書いたように異国の友人ができることもありますが、同時に全く文化が異なる人たちと共同で生活しなければなりません。
共用スペースの使い方が汚かったり、生活音がうるさくて気になったりなど、自分の感覚と違うことがストレスになることもあるので、十分に注意が必要です。
私の場合、夜中となりの部屋に住むハウスメイトの生活音がかなりうるさく、数ヶ月悩まされました…
また、シェアハウスのオーナーが自身の生活スタイルに対し、過干渉してくる場合があります。オーナー同居型のシェアハウスで稀に見られるので、その点も内見時に見るポイントとして抑えておきましょう。
シェアハウスの家賃相場(2024年時点)
カナダ・トロントの家賃はコロナウイルスによるロックダウンを機に、年々高騰してきています。
シェアハウスの家賃は、主に『トロントの中心地「ダウンタウン」に近いかどうか』『部屋のタイプ』の2つで決まります。
今回は部屋のタイプ別で相場をご紹介していきます。ぜひご自身のスタイルにあった部屋を見つけてみてくださいね。
マスタールーム
部屋タイプの中でも最も広く、かつ専用のバスルームが付くこともある部屋です。
その大きさから1人で住むのはもちろんのこと、友人やカップル同士での入居が可能なことも多い部屋となっています。
その分、家賃は高めに設定されており、相場としては毎月$1,200〜$1,500ほどになります。
友人やカップル同士で住む場合、『1人あたり$〜』と決まっていることが多いです
トロントで「恋人と一緒に住みたい!」「自分専用のバスルームが欲しい!」という方にオススメです。
セカンドルーム
マスタールームよりは小さいスペースで、最も一般的なサイズの部屋になります。
1人で暮らすには十分なサイズ感であることが多く、バスルーム等は共用が基本です。
家賃もマスタールームよりは少し抑えられており、相場としては毎月$700〜$1000ほどになります。
トロントで「家賃は抑えめで住みたい」「ある程度の広さは欲しい」という方にはオススメです。
ベースメント
ベースメントとは地下に作られた部屋のことで、カナダでは一般的な部屋タイプの1つです。地下にあるため夏場などは涼しく過ごせる一方で、日当たりが悪いもしくは窓が全くない部屋もあります。
マスタールームやセカンドルームと比べると家賃は抑えめではありますが、部屋の大きさと家賃相場はかなりバラバラです。
トロントの中心地「ダウンタウン」に近いかどうかで特に左右されやすい印象でした。
同じ家賃でも、『中心地へのアクセスは良いが部屋がかなり狭い』場合や、『ダウンタウンからは遠いが、部屋は十分な広さがある』など、物件によって様々です。
家賃の相場としては、毎月$600〜$900ほどになります。
シェアハウスの探し方
さて、ここからはいよいよトロントでのシェアハウスの探し方についてご紹介していきます!
シェアハウスを探す際の流れとしては以下になります。それぞれ順にご説明していきますね。
家賃や立地、譲れない条件などを決めましょう。
決めた条件をもとに、物件を探します。
実際に物件を見て、条件と一致しているか再確認しましょう。
物件を決めたら、オーナーと契約へ進みましょう。
居住がスタートしたら、必要事項を確認しましょう。
STEP1. 自分の条件を決める
まずはシェアハウスを探すにあたって、先にご自身の条件を決めましょう。
『家賃の予算はいくらか』『絶対に譲れない条件』などと同時に、『そこまでこだわらない条件』も大まかに決めておくことをお勧めします。
なぜかと言うと、自分の理想を全て満たした、完璧なシェアハウスを見つけられる可能性はかなり低いためです。※見つけられることも勿論ありますが、相当ラッキーです。
近年、トロントでは住宅の逼迫が問題になっており、「オーナーに空きを問い合わせたら既に入居者が決まっていた」ということも珍しくありません。細かな条件にこだわりすぎてギリギリまで入居先を決められず、結果として自分の条件と合わない家を選ばざる得ないという状況に落ち入ります。
私の場合は家賃や立地のほかに、家の清潔さを重視していました
そのため、まず最初に家探しの『軸』を決めておくと良いでしょう。
STEP2. サイトなどを利用してシェアハウスを探す
ご自身の条件が決まれば、次はシェアハウスを探していきます。
トロントでのシェアハウスの探し方ですが、大きく分けて2種類の方法があります。
- 専用サイトを利用して見つける(e-Maple, kijiji, craigslist)
- 知り合いから紹介してもらう(友人経由、X:旧Twitter)
まずはシェアハウス探し専用のサイトから見ていきます。
e-Maple(イーメープル)
e-Maple(イーメープル)は、留学や旅行、移民などカナダに関する情報を発信しているウェブサイトです。サイト内は基本的に全て日本語のため、日本人向けのシェアハウスやサービスを探せることで知られています。
現在のシェアハウスはこのサイトから見つけました!
シェアハウス入居の募集数も十分ですし、投稿しているオーナーが他国と比べ綺麗好きの多い日本人を求めていることもよくあるため、トロントの家探しでオススメできるサイトの1つです。
難点としては投稿されている画像がかなり小さく、非常に見づらいです。内見のアポを取る際に、一緒に部屋の写真も送ってもらうことをオススメします。
kijiji(キジジ)
kijiji(キジジ)は現地トロントの住民も利用する、地域特化のコミュニティサイトです。
シェアハウス以外にも、持ち主が使わなくなった物品を売り出していたり、仕事の求人情報が掲載されていたりします。サイト内は基本英語で、オーナーとの連絡も英語でやり取りが必要です。
他国からの留学生も利用するので、国際色豊かなシェアハウスを探している方にオススメです
価格や住みたい地域の絞り機能があり便利な一方で、オーナーの返信率が少し悪い印象でした。返事が来ない場合はもう一度連絡を取ってみるなどして、粘り強くコンタクトを取りましょう。
craigslist(クレイグスリスト)
craigslist(クレイグスリスト)はkijiji(キジジ)と同様に、地域のコミュニティサイトです。
掲載されている分野も非常に広く、仕事やシェアハウス以外にもボランティアなどの募集情報も掲載されています。サイトは日本語の表記に変更が可能ですが、オーナーとのやり取りは英語である必要があります。
こちらも価格や住みたい場所の絞り込み機能がありますが、サイトの作りがやや複雑で、最初は慣れるまで使いづらいかもしれません。情報量も多く便利なサイトなので、少しずつ慣れていきましょう!
知り合いから紹介してもらう
e-Mapleやkijijiのような専用サイトからシェアハウスを探す方法とは別に、『知り合いからシェアハウスを紹介してもらう』という手段もあります。
「別のシェアハウスに引っ越す」「月末にトロントを出国するため部屋が空く」など、これまで住んでいた人が次の入居者を探している場合があります。語学学校の友人など身近な方に「◯月から住めるシェアハウスを探している」ことを自分からも発信するようにしましょう。
もう1つ個人的に意外だったのが、時々『X(旧Twitter)』でも情報が回ってくることです。
このように、X(旧Twitter)で日本のトロント留学生へ情報を発信していることがあります。数は専用サイトと比較すると少ないですが、思わぬ掘り出し物に出会えるチャンスもあるので、ぜひ活用してみてください。
私はX(旧Twitter)経由で3件ほど内見に行きました!
STEP3. 内見へ行く
良い物件を見つけたらオーナーへ連絡し、実際に内見へ行きましょう。
内見希望のメールには以下の情報を載せます。
内見希望のメール
- 氏名
- 連絡先
- 簡単な自己紹介(年齢、性別、国籍、非喫煙者かどうか等)
- 入居開始の希望日
- 契約したい期間
- 内見希望の日時
ご自身の情報を簡潔にまとめることで、オーナーからの返事も返ってきやすくなります。『見やすさ』『必要な情報がまとまっているか』を意識しましょう。
シェアハウスのオーナーは日々たくさんの内見希望者からのメールを受け取ります。見づらいと返してくれないことも…
また内見の際にも、以下の内容を確認することをオススメします。
内見時のチェックリスト
- 家賃、またそれ以外でかかる費用がないか
想定外の費用がかからないように、事前に確認しておきましょう。
- 水光熱費・WiFi費用は家賃に含まれているか
稀にいづれかが含まれていない場合があります。WiFiも無制限に使用できるか確認しましょう。
- 洗濯機・乾燥機は設置されているか
設置されている場合、洗濯が週に何回できるのかも合わせて確認しましょう。設置されていない場合、近くのコインランドリーまで出向く必要があるので注意です。
- トイレ・バスルーム・キッチンは何人でシェアするのか
シェア人数が多いと混み合い、利用したい時間に使えない場合も。2〜3人シェアが理想です。
- 最低契約期間(ミニマムステイ)はどれくらいか
シェアハウスによって必要な最低契約期間はバラバラです。何かトラブルがあった時すぐに出られないと不便なので、必ず確認しましょう。
- 家賃の支払い時にレシートは発行してもらえるか
何か支払い関係でトラブルがあった時、大切な証拠になります。口頭だけのやり取りは避けましょう。
- ハウスルールはあるか
ゲスト招待や喫煙が可能か、ゴミ出しや清掃が必要か等を確認しましょう。
- シェアハウス周辺の治安が良いか
トロントは世界的に見ても治安の良い都市ですが、危険な地域も存在します。周囲が安全か確認しておきましょう。
内容によっては事前にメールで聞いておき、文面に残しておくのも良いかもしれませんね。
ネット上に出回っている物件の中には、留学生を狙った詐欺も少なくありません。
『オーナーと会うことができない』『内見する前の段階でデポジット等の支払いを求められる』といったケースは詐欺である可能性が高いです。
必ずご自身の目で物件を確かめてから選ぶようにしましょう。
家賃を下げる裏技
「条件の良いシェアハウスを見つけたけど、家賃が予算よりも少しオーバーしている…」という方、諦めないでください!その家賃、もしかすると下げられる可能性があります。
※あくまで私の経験の中で偶然見つけた裏技のため、結果は保証は出来ませんのでご注意ください。
家賃を下げる方法ですが、結論『家賃が自分の予算よりもオーバーしていることをオーナーに伝えてしまう』ことです。そのままかよ!と思われるかも知れませんが、実際かなり有効です。
私も実際にこれまでの内見で、少し予算がオーバーして迷っていることをオーナーに伝えたところ、半分以上のオーナーが「予算はいくらなの?」「少しなら下げられるよ!」と提案してくれました。
現在のシェアハウスも$30ほど下げてもらうことができました。大きな金額は難しいですが、少額であれば可能性はあるかも…
あまりにも直接的に交渉すると失礼に当たりますし、皆さん以外にもそのシェアハウスを希望している留学生がいるかも知れません。乱用することはオススメしませんが、1つの手段として押さえておくと良いでしょう!
STEP4. シェアハウスを契約する
自分の条件に合う物件を見つけたら、いよいよオーナーとの契約へ移ります。
契約時にすることは主に『契約書の確認・記入』と『デポジットの支払い』です。
契約書の確認・記入
契約書については、まず内容を全て確認してからサインするようにしましょう。
内見時に言われていたことと違ったり、事前に知らされていなかったルールが記載されている事はよくあります。変更してほしい内容などあれば、この段階でしっかり交渉しましょう。
またオーナーによっては、契約書を用意していない場合があります。後からトラブルになった時とても困るので、メールでルール等を送ってもらうなど、文面に残る形で控えを取りましょう。
契約書を自分で持っていくことも可能です。雛形は留学エージェントから貰える場合もあるので確認してみましょう。
全ての内容に問題がなければ、契約書にサインします。
デポジットの支払い
多くの場合、家賃(最初の月と最後の月)デポジット+キーデポジット(鍵の紛失補償)を支払うことが一般的です。
トロントがあるオンタリオ州の法律では、オーナーは最初の月と最後の月の家賃をデポジットとして求めることが認められています。支払いはe-Transfer(カナダの送金サービス)で行われることが多いですが、現金で要求される場合は事前に口座から引き出す必要があるので注意です。
この時も領収書をもらうのを忘れずに!
以上で契約は完了となります。
STEP5. 契約後にすること
「契約も無事に終わったし、いよいよトロントで新しいシェアハウス生活をスタートできる!」となりたいところですが、少しお待ちを(笑)。
入居した当日に必ずしてほしいのが、『部屋の撮影』です。
シェアハウスは皆さんが住む以前にも、沢山の留学生が利用してきています。前のテナントが付けた傷や壊れている箇所がそのまま残っていることも少なくありません。
いざ退去する時に自分が作った傷だと勘違いされた結果、修理費を請求される可能性もあります。写真や動画で部屋の内部を隅々まで撮影して、必ず証拠を残すようにしましょう。
少し面倒かも知れませんが、未来の自分を助けると思って実施しておくことをオススメします。
これで全ての行程は終了です。お疲れ様でした!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はカナダ・トロントでのシェアハウス探しについて、全体の流れに沿ってご説明してきました。この記事を読めば、皆さんの理想のシェアハウスを探し出すことができるでしょう。
シェアハウスを探すのは大変な作業ですが、トロントで素敵な出会いに恵まれるチャンスでもあります。そのためには事前の下調べと知識が必要不可欠なので、しっかりと準備しておきましょう。
この記事が少しでも皆さんのシェアハウス探しに役立てば幸いです。